「ライフ イズ ビューティフル」   副教会長

 「ライフ イズ ビューティフル」という映画を観た。

 この映画はある一家の物語で、前半はコメディータッチで主人公の明るく前向きな人となりや、妻息子との幸せな生活が描かれている。

 そして後半。主人公がユダヤ系イタリア人であったため、強制収容所に入れられてしまう。しかし、そんな過酷な環境にありながらも主人公は明るく振る舞い、妻を息子を励ましていく。とくに息子には「これはゲームなんだ。優勝すれば戦車がもらえる」と伝え、そんな環境にも楽しみを見つけられ、生き続け、耐えるように誘導していく。最後は妻を息子を守るために捕えられ射殺されてしまうのだが、その最期までも息子から見えているところでは、不安がられないよう思い切りおどけて、捕えられていくこともゲームの中の世界かのように振る舞うのである。 

 そして驚くところは、そんな映画の題名が「ライフ イズ ビューティフル」(人生は美しい)ということである。父の優しい嘘によって助けられた息子視点から見たらそうなのいかもしれない。

でも戦争や人種差別に巻き込まれ、幸せな生活を失った一家を描いた作品なのである。私はそこに対して、なんともいえない思いになるのである。

 そんな思いの中で私に伝わってきたことは、どんな状況でも前向きに明るく楽しく生きようとすることと、誰かのために精一杯役に立つ生き方をすること。そんな生き方が美しいということなのかもしれない。 

 誰にでも生きていく中に、辛いこと、悲しいこと、腹が立つことなどたくさんあるのだと思う。そんな中でも前向きに明るく楽しく生きる方法を探す。そのような努力をしていくことが美しく生きることなんだろう。

 まさしく「うれしく たのしく ありがたく」ですね。


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